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はじめましょう

植村 高雄

今日の心の糧イメージ

 「よし、今日もやるぞ」と張り切って、毎朝飛び起きたのは大学生時代で、最近はだらだらと起きてしまいます。なすべき事柄は山ほどあるのに、忘れていることも多く、何故か、寂しい心境に襲われることもあります。

 朝日が昇り、可愛い小鳥の声に替わり、にぎやかな烏たちの声が聞こえはじめますと、何故か私の心がざわつきだします。やはり可愛らしい小鳥さんの鳴き声のほうが仕事はじめには相応しいようです。

 30代の頃、仕事がすべて順調に流れ、収入も想像以上に順調でした。しかし、なんとなく心が乱れているのを感じたので北海道の某修道院に泊めていただき、ミサに与からせていただいたとき、ふと、なんだか自分が嫌になりました。理由は分かりませんが日々が空しく、イライラしている自分に気づきます。

 修道院のお庭を散歩し大自然の空気のすがすがしい風に触れますと、ふと、亡き母の姿と聖母マリア様が楽し気にお話ししながら向こうから私のほうに歩いてくるのを感じます。急ぎ東京に帰りたくなり、院長様にお礼を述べて自宅に帰ります。

 不思議なことですが、翌朝の目覚めは何とも爽やかで、気力が充実し、久しぶりに「よし、今日は例の難問を解決できそうだ」と飛び起きました。数日かかりましたが、知恵がどんどん湧き出し、友達も何故か明るく爽やかに手伝ってくれ、うまくいきました。

 このような心の流れはあまりないので、不思議な経験でした。

 ジーン・ドージャという神学者がお書きになった「神のめぐみとは」という名作が私の本棚にあるのに気づき、改めて自分の中にある魂や聖霊様に、そして信仰の恵みに感謝しました。