「だるまさんがころんだ」は、誰もが遊んだことがある昔からの子どもの遊びです。鬼を決めた後、鬼以外のみんなが「はじめの一歩」と元気に大きな声を出しながら、遊びが始まります。この「はじめの一歩」を踏み出す時は、みんな集中し、一生懸命、この第一歩に力を入れます。
この遊びの「はじめの一歩」は、なぜか、私たちが新しいことを始める時の第一歩を思い出させます。「勢い」「期待」「進歩」「喜び」、この全部が含まれています。
マザーテレサは、「一番の教師、それは子どもたち」と言っていましたが、子どもたちは、新しいことに積極的に挑戦します。それも、一生懸命、諦めず集中して練習に力を入れます。周りから褒められたりすると、自分でも出来ると信じ、より一層、頑張り、期待通りに前進します。
また子どもたちは特にやりたい事があると、失敗を気にせず前に進む不思議な力を発揮するように思います。自分の中から出てくるエネルギーと周りからもらう励ましによって進歩し、その結果、喜びも生まれます。
私は今、90代後半になり、さすがに生活のテンポもスローになりましたが、生活の中には、変わらぬ「進歩と喜び」があるように思います。
私にとっての進歩とは、子どもたちとは違って、新しいことを始めるのではなく、新しいやり方で前からやってきたことを続ける、ということです。これこそ私にとっての「はじめの一歩」であります。毎日、自分なりの生活を維持するために、やる事のチェックリストを作ったり、周りの人の力をかりて料理をしたり、散歩をしたり、新しいやり方が生活の中に導入されました。
これからも、進歩と喜びを忘れずに、自分なりのはじめの一歩を踏み出していきたいものです。