教皇によるSNSでの発信は、もう新しいものでもありません。メッセージを早く広く有効に伝えたいという意図なのでしょう。
他方で、教職にあって私の切なる願いは、コンピュータ機器を用いずに授業の運営をやりおおせることでした。退職まであと少しの辛抱と。
その願いも叶わず、ついにその時がやってきました。コロナ感染拡大とともに、遠隔授業が余儀なくされ、学習管理システム、グーグル・クラスルームの使用法を習得しました。とても便利で授業運営に役立ち、いまやコロナ前に戻れません。
こんなテレビコマーシャルがありました。
少年が庭で腹ばいにタブレットを操作していると、母親から声がかかります。
「ご飯だから、コンピュータしまいなさい!」
男の子は手を休めずに、返します。
「はーい。......コンピュータってなに?」
大学生も「今の若い子はコンピュータも使わないし、知らない」と言い放ちます。もはや「上から目線」とも言えなくなってきています(微妙......)。
授業の終りに10分ほど空くことがあったので、今日の課題をやってしまおうと、学生に呼びかけました。「扱った二つのテーマについて省察を書いて下さい」。「携帯を使用してもいいので、課題を確認して」。すると学生はスマホをとり出し、顔の前に掲げると、一気に書き込みを始めます。それも半端ないスピードで。予想以上で、全員がスマホで回答していました。
あるとき息子に頼みごとをしました。「その写真、添付で送っておいて。」「テンプ?...... ああ、添付ね。お父さん、いま添付しないんだよ。ドロップするだけ。」「エ?......ドロップ?」
ドロップしたいのは、私の方です。もう、いい加減に......。