▲をクリックすると音声で聞こえます。

委ねる

古川 利雅 神父

今日の心の糧イメージ

 私たちは様々な関わりの中で、信頼のうちに今の時を歩んでいます。この世界の中で、私たちが一人で出来る事がらは限られています。ですから色々な事がらを分担しながら、委ねながら、委ねられながら、ともに歩んでいるのではないでしょうか。

 「このことを」「この人のことを」宜しくお願いします...とお願いしたり、誰かに頼まれて、私がお引受けします、私に任せて下さいなど、お願いされたりする場面もあるでしょうね。委ねるということを考えてみると、委ねきる難しさもあるでしょう。お任せしたけれど、自分で状況を見たりしなければ、安心できないということもあるかも知れません。

 ところで委ねるといっても、様々な「委ね」がある様にも思いますが、どうでしょうか。

 お願いしますという委ね。お任せしますという委ね。委ねたとき私たちはどのような心でいるのでしょうか。

 私がお世話になったある習い事の先生は、生徒が使って良いものとして準備したものは、生徒が取扱いに不慣れであったりして、万一壊してしまったとしても、それは自分の責任と仰っておられたことを思い出しました。形あるものは、いつかは壊れるもの。準備したものの使用について生徒に委ねたものは、何があっても受け入れて、受け止めて、大切な生徒を守る。生徒との関係性を守るということだったのでしょうね。大切なものであったとしても、壊れたことに一喜一憂するのでなく・・。

 委ねるときは、委ねきる。委ねた結果、その結果も含めて受け入れる。その様に生きることができるなら、どんなに素晴らしいでしょうか。

 心の広さ、ゆとり、自分という器が大きくなってゆけますように。

 神様が私たちの成長を助けて下さいますように。