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心のなごみ

古川 利雅 神父

今日の心の糧イメージ

 忙しさ、慌ただしさの中にあっても、ほっと一息つける時間、場所、そして人との出会い。皆さんはどの様に持っておられるでしょうか。再び忙しさ、慌ただしさの中に戻るとしても、ほんの短い時でも持てるなら、それは大切な宝物。

 忙しさの漢字は、心が亡くなると書き、慌ただしさの漢字は、心が荒れると書きますね。心が亡くなったなら生き返るための時、心が荒れたなら、静まるための時が必要でしょう。私たちが私たちであるため、私が私であるため、人が人であるために。

 その様な時、私たちの心はなごむのでしょう。なごむ。なごみ。漢字では和と書きますが、人と和する、自然と和する、私たちの心が自分以外の存在と和し、和することができたとき、私が本来の私に、人が本来の人となり、新たに歩む力を汲みだすことができるのでしょう。

 戦国時代、戦いの前に武将たちは茶の湯のお茶を飲み、戦いに向かった話を伺ったことがあります。明日には命がどうなるかわからない時にあって、心が安らげる場で、心置きなく過ごせる方との出会いと時間、相手の心と和し、自然と和し、自分自身の心とも向き合う。そして心がなごみ、新たにされて歩み出してゆく。その様な心なごむ「一期一会」の場を、現代を生きる私たちも大切にしたいですね。

 ほんの短い時間でも人と出会い、たとえ会えなくても電話で声を聞き、互いに語り合う。その様な時、出会いが私たちを支えてくれますから、世界を創られた神様との時、出会いは大きな支えとなります。今、神様に心を向けてみてはいかがでしょう。その時と出会いが、私たちの心をなごませ、新たに生きる力を与えて下さることでしょう。神様の祝福と恵みが豊かにありますように。