言葉は人を傷つけるナイフにもなり、人を癒やす薬にもなります。
人の気持ちを変え、行動を変え、さらには人格や人生をも変えていく力をもっています。
たとえば、家庭・学校・職場などで、自分の努力や人格を否定される言葉を言われ続けると、誰でも自信と自尊心をなくし、生きる力をなくしていくものです。逆に、肯定される言葉を言われると、元気になってやる気も出てきます。表情が明るく行動は積極的になり、人生は希望あるものになっていきます。
言葉は人に多くの影響を与えますが、自分の言葉で一番影響を受けるのは、誰でしょう。
それは、たぶん自分ではないでしょうか。なぜなら自分の言葉を一番多く聞いているのは、自分だからです。
ですから、悪口や否定的な言葉を言うよりも、できるだけ自分の心を上向きにする、前向き・肯定的・感謝の言葉を口にするように私は心がけています。
たとえば、「うれしい」「おいしい」「いいですね」「よかった」「ありがとう」など。すると、次第に小さなことにも感謝できるようになったり、気持ちや行動が前向きで肯定的になったりして、生活が幸せなものになっていくのです。
人間関係を良くする言葉としては、教皇フランシスコは、特に次の三つの言葉を勧められています。「いいですか」「ありがとう」「ごめんなさい」。
自分勝手に振舞わずに「いいですか」と相手に配慮し、感謝の気持ちを「ありがとう」、間違ったときには素直に「ごめんなさい」と言葉で伝えるのです。
三つとも相手を尊重する言葉ですから、言われた人の心には喜びや自己肯定感が生まれるでしょう。さらに、言った本人の気持ちも自ずと平安に満たされていくのです。