クリスマスのおとずれ

崔 友本枝

　クリスマスの夜、羊飼いたちは徹夜で羊の番をしていました。すると天使が近づき、「わたしは民全体に与えられる大きな喜びを告げる。今日、ダビデの町であなたがたのために救い主がお生まれになった。この方こそ主メシアである。あなたがたは、布にくるまって飼い葉おけの中に寝ている乳飲み子を見つけるであろう。これがあなたがたへのしるしである」と告げたのです。(ルカ２・１０～１２）

　ユダヤ人たちは、何千年もの間救い主を待っていました。「ああとうとう！」と思ったことでしょう。羊飼いは星に導かれ、喜びいさんで馬小屋にたどりつきました。そこには"飼い葉おけ"に赤ちゃんが寝ていました。「それが救い主のしるしです」と教えられた通りでした。

　「救い主が生まれた」という聖書の言葉は、２０００年前の羊飼いに語られただけではありません。２１世紀に生きる私たちにも語られているのです。これほど古い出来事が、私たちにどんなかかわりがあるのでしょうか？

　「神」が「人」となられて地上に来られたのは、人類全体を救うためでした。罪のないイエスが何の抵抗もせずに十字架にかけられたのは、私たちの罪の償いを代わりに引き受けたということだったのです。

　イエスは「神の小羊」と呼ばれます。それは、旧約聖書の時代、小羊の血を柱に塗ったユダヤ人だけが、長男を殺されずにすんだという出来事に由来します。罪のない小羊が身代わりになったのです。

　人間が犯した数えきれない罪を身代わりになって償ってくださったイエス。この救いの出来事は、全ての人に及んでいます。神さまは、私たちに手をさし伸べてくださいました。ですから、クリスマスは人類全体のお祝いだといえるのです。