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心を開く

三宮 麻由子

今日の心の糧イメージ

 心の開き方で私が模範と思うのは、会社の先輩です。世界をまたにかけ、社内のあらゆる国の人たちに技術のトレーニングをしている方です。

 彼女は誰に対しても公平で、前向きで、相手をありのままに大きな懐で受け入れます。しかし八方美人なのではなく、言うべき時ははっきりと「ノー」をいいます。

 一方、自分の弱い部分も自然にさらけ出しています。息子さんの反抗期、ちょっと優柔不断なところ、たまにスケジュールを忘れること。いつもオープンな彼女は多くの人に愛され、頼られています。

 その彼女が私にいいました。

 「まず、人に話してみること。駄目なら別の人にあたってもいいし、別の機会を待ってもいい。自分一人で抱え込んでいても解決にはならないから」

 ただし、心を開くには自立が伴います。どんな素晴らしい人でも一人に頼りすぎると相手が重たくなり、いつか疲れてしまいます。「私はここまでやれるけど、そこから先が困る」といった頼み方が重要になります。彼女と付き合ううえでも、そうした自立心が求められます。でも実は、それは頼る側の尊厳を認めることになります。べったり頼るのでなく、自分に責任をもったうえで心を開くことが大切なのでしょう。

 神様との関係においては、すべてをお任せするしかない場合もあるため、そうもいかないことが多くあります。でも、たった一つでも自分にできることを見つける姿勢を忘れなければ、神様は見逃さずにそれを突破口にしてくださいます。私はそのことを、何度も経験しました。そして、そこで育った自立心を活用して心を開くと、良い友達に恵まれることも学んだのです。

 自立心を忘れずに心を開くとき、道は開ける。私はそう信じています。