岩手県陸前高田の7万本の松原は、2011年3月111日の大津波で全滅し、奇跡的に1本だけ残りました。この一本松は、復興のシンボルとして地元はもちろん、全国の人々の期待と注目を浴びました。「強く生きろ!」と被災者たちを励ます声でした。しかし、海水で根が腐ったため「再生不可能」と判断され、1年数か月後に伐採され、東日本大震災の証しとして保存されることになりました。
ところで、大津波の3カ月後に、赤茶色に変色した葉の上から、新しい葉が息吹いているのが確認されたそうです。実に、この一本松は、死に絶えましたが、人々に生きる希望を与え続けているのです。
どんないのちも、生き延びようとします。わたしたちにも生き続けたいという強い欲求があります。それは、神さまが人間を不滅な者として創造されたからです。しかも、わたしたちは、生存本能を持っているだけではなく、死んでもよみがえることが可能なのです。それを証明してくれたのがイエスです。イエスは、亡くなった人を何人もよみがえらせましたが、最後には、十字架の上で殺され、3日後に自らよみがえったのです。
イエスの復活は、人が死んだ後、単に生き続けるということではなく、全く特別なからだによみがえって、永遠に神と共に生き続けることを保証するのです。だから、わたしたちは、死んでも、必ずよみがえって永遠に生き続けるという希望を持つことができます。
しかし、イエスの復活は、からだのよみがえりを保証するだけではなく、赦し合い、和解、愛し合うことによる新しい生き方を示しています。つまり、皆が自分しか愛そうとしない我欲に死に、互いに相手を自分と同じように大切にし、共に強いつながりを持って生きるよう招いています。