▲をクリックすると音声で聞こえます。

ひたすら前に

植村 高雄

今日の心の糧イメージ

 人は魅力的な人に出会ったり、趣味に対しては、ひたすら前に突き進んでいく傾向があります。ところが、好きになれない先祖代々の家業や、収入の為に嫌いな仕事についた場合は我慢の連続です。このような場合、どうしたらいいのでしょう?

 自然災害、事故、病気などで、前向きに生きたいと思っても、その渦中で意欲を失い、路頭に迷うのが人生でもあります。渦中にある時、「ひたすら前に」などと言われますと、益々生きる意欲を失います。

 ギリシャ神話や古い民話を読みますと、どの時代でも、人類を襲う色々の困難、苦悩を、どう乗り越えられるか、その方法についての暗示的物語が沢山出てきます。それでも何故、人は生きねばならないのでしょうか?

 その辺りの回答は聖書に実に沢山書かれています。

 さて友情、恋、家族間の愛にしても、一番大きな問題は相手を悲しませる事ですが、実は「悲しむ」という感情は実に複雑です。それぞれの人間の環境、教育等で相当違いますが、不信感、罪悪感、劣等感、絶望感の分野が、この「悲しむ」という感情を大きく支配していますので、まずは日常生活での人間関係に注目し、主な人々との「悲しみ」の事例を思い出してノートに書きだすと、自分を悲しませたり人を悲しませたりする実体が見えてきます。

 また、信仰の世界は微妙で、自分が信じている神様を、どの程度信頼しているか、深層心理学で言う「信じて見えてくるもの、見えなくなるもの」という対処法があります。

 まずは自分を悲しませている事例、好きな人を悲しませている事例をノートに書き出すと、自分と人を悲しませた自分の性格の傾向が見えてきて、これからの生き方を「希望の人生」へと向けてくれるようです。