共にある

シスター 山本 久美子

今日の心の糧イメージ

 私は、東日本大震災が起こった年のクリスマスに、被災地支援のために初めて訪れた、宮城県北部の小さなカトリック教会で聖夜の御ミサに与りました。小さな聖堂には、信者でない多くの人々も集まり、共にキリストの御降誕を祝いました。御ミサの間、しんしんと降り出した雪が積もり、とても寒い夜でしたが、初めて出会った人々と一緒に、素朴な人々の間にお生まれになる幼子イエスの御降誕の意味を、真に味わった、素晴らしいホワイトクリスマスでした。御ミサの後、地元の信者さんたちは「クリスマスに、こんなに大勢の人々が来られたのは初めて...」と喜ばれ、お茶菓子等を配って、温かくもてなしてくださいました。

 被災地に訪れていたボランティアの人々は、4回目、5回目というリピーターの人たちが多く、中でも、青年たちが生き生きと働く姿が印象的で、大きな力と希望をもらいました。ごく普通の大学生たちが、被災者の方々と出会って、自分の存在や働きを心底から感謝され、他人の役に立てる喜びを、また、復興への希望を熱く分かち合ってくれました。彼らは、ボランティアとしての働きを通して、被災者の方々とボランティア同士が「共にあり」、同じ目的をもって「生きる」意味を味わっているのだと実感しました。

 私は、彼らの生き生きとした姿を通して、彼らの心と生き方の中に、「共にいる」と約束してくださる主キリストを思い起こしました。

 主は、被災者の一人ひとりの痛みに心を動かし、共に泣き、人々の善意と真心を励まし、「一緒に生きていこう」と、これまでも、今も、これからも、一人ひとりの存在を支え、共に歩み続けてくださっていると確信しています。

共にある

遠藤 政樹

今日の心の糧イメージ

 我が家の愛犬チワワの名前は「パックス」です。名前の由来は、ラテン語で平和を意味するパクスからきています。

 喜怒哀楽のはっきりした犬と共に、一日も休まず早朝の散歩を続けて9年目、犬友のみなさんはもちろん、早朝から仕事をされている人、散歩されている人との笑顔の挨拶や会話は、私の心に明かりをともし、さあ今日も一日がんばろうと、そんな気持ちにさせてくれます。

 私が今、身も心も健康で楽しく過ごすことが出来るのは、数えきれない多くの人々の暖かい支えがあればこそ、そして、私の散歩仲間、我家の「パックス」もいればこそです。

 私たちは、喜びや楽しさから生まれる優しさ、また、心の孤独から時として生まれる寂しさや、悲しみ、そして、苦しみを誰でも体験しています。しかし、心にともされる愛と慈悲のともしびは、心を明るくし、自然に顔をもほころばせます。それは、自分だけではなく周りの人々の心をも明るくします。笑顔が笑顔を生みます。皆がこのような心を持って日々過ごすなら、きっと楽しい住み良いところになるのではないでしょうか。

 私は、カトリック教会の第2バチカン公会議後の祈りの中で信仰生活を送っています。世界宗教サミットが日本で開催されるようにもなりました。そして、聖歌「いつくしみと愛」と共に世界の平和を祈る時、ささやかな幸せに感謝し、今、自分に何が出来るかを考えながら日々生活しています。

 主イエス・キリストの「わたしはあなたがたに平和をのこし、わたしの平和をあなたがたに与える」という御言葉を、心にしっかり受けとめ、宗派を超えて人々と共に、愛と慈悲の心を持って人生を歩んでいきたいと思います。


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