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ホッとするとき

服部 剛

今日の心の糧イメージ

 私は手紙を書くとき、最後に「〇〇さんの日々が平安でありますように」という祈りの言葉を添えることがあります。相手によって表現が変わることもありますが、私にとって「平安」という言葉は大切な一言です。辞書で調べると、「無事平穏なこと」とあります。

 ヘブライ語に「こんにちは」を意味する「シャローム」という挨拶の言葉がありますが、この言葉は戦いや騒乱のない状態を指しています。「あなたにとって事がうまく運びますように」というメッセージも含んでいるそうです。そこにはイエスがそれぞれの日常に派遣される私たち一人ひとりに語りかけている祈りの言葉でもあります。

 日々の暮らしの中では、ふいに大事な局面を迎えることがあります。正直に言うならば、そういうときの私の心はすぐに浮足立ってしまいそうになります。ですが、そんなときこそ、目を閉じて、「平安のうちに行きなさい」というイエスの音の無い声に耳を澄ませる感性を養いたいものです。その場面において最も安心したいのは誰なのか?と心を寄せる姿勢を意識しています。そこに集う人々の空気が和合されるように願い、イエスの御心に倣い、「平安のうちに行う」ことが求められているのでしょう。

 ギリシア語の「エイレーネー」という言葉も「シャローム」と同様の意味があり、「平安のうちに行きなさい」という祈りの言葉でもあるそうです。このように考えると、「平安」「シャローム」「エイレーネー」のどの言葉も人の心の安らぎを願う意味があり、深いつながりを感じます。そして、私は祈ります。

 主よ、今日も「平安」という言葉の意味を私の心のなかに深め、かかわる誰かとの間に微笑みを交わすことができますようにーー。