2019年03月16日の心の糧


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たえず1歩前に

小川 靖忠 神父

今日の心の糧イメージ  わたしたちは、毎日安心して、平和の裡に楽しく日々を送りたいと望んでいる人が多いと思います。いや、みなさんがそうなんじゃないでしょうか。

 しかし、現実はそうはいかないと実感しています。これまた、わたしたちが直面していることではないんでしょうか。自分のせいで困難に遭遇したり、自然の脅威の前にどうしようもなく、地団太を踏んでしまいます。

 ところで今、人手不足が深刻さを増している現場が、介護現場であるといわれています。したがって、高齢者や外国人が活躍する姿が目立っているそうです。介護現場の「担い手」が今や、元気な高齢者に委ねられているという現実を、どのように考えればいいのでしょうか。

 ある方が退職後、犬の散歩や図書館通いをしながら、生きがいを見出せない日々を送っていらっしゃいました。ある日、廃品回収車が自宅近くを通りますと、今は亡き奥様がつぶやいたそうです。 「不用になった亭主も引き取ってもらえないかしら」と。

 ご主人は焦ったようです。奥様は冗談でおっしゃったのでしょうが、ご主人はそれで発奮なさったんですね。介護福祉士の資格も取って、デイサービスセンターで働いておられるそうです。

 介護の資格もさることながら、人生の経験もこの仕事に大いに役に立っていて、多くの方に喜ばれているとのこと。例えば、懐メロを歌ったり、昔の同じような経験の話に花が咲いたりと、世代間の違いを感じさせない交わりが力になっています。

 たえず1歩前に進むには、どんな言葉、体験でも力になります。そしてそれが、今、自分のこの命を、もっと効果的に生かす力につながっています。他者が喜ぶ姿を見て、喜び楽しみつつ、さらなる1歩を前に進めましょう。