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たえず1歩前に

シスター 山本 久美子

今日の心の糧イメージ

 「変えられるものを変える勇気を、変えられないものを受け入れる冷静さを、そして両者を識別する知恵を与えたまえ。」この祈りは、「平静の祈り」と呼ばれ、神学者ニーバーが伝えた祈りと言われています。

 この祈りは、私たちが、各々の人生において、積極的に「絶えず1歩前に」踏み出し、幸せに生きるために、大きなヒントを与えてくれます。

 私は、「変えられるもの」「変えられないもの」とは何でしょうと、自分自身に問うてみました。その時、自ずと「識別する知恵をください」という言葉が心の中から湧き出て来て、心に平静さを感じました。

 そして、「変えられる」ものとして、心に浮かんだことは、今日これからの自分の言動、人との関わり方、物事の受け止め方...でした。つまり、自分自身と、自分が引き起こすことです。逆に、「変えられない」ものとは、いろいろな歴史や過去の出来事、そして、この世界や自然に起こること、身近な人でも他の人々の言動等、大きく括って、自分以外の「他の事象」だと、思い巡らしました。そして、その大きな違いは、「自分」と「自分以外」、「今」「これから」「過去」のことだと気付きました。

 その過程で、自分のことであっても、自分以外のことであっても、過去そのものは変えられませんが、そのまま受け止めることによって「自分自身が変えられる」と改めて考えさせられました。そして「変える」ことができる自分自身の言動を変えていく勇気と堅固な意志があれば、自分の人生や未来が開かれていく希望が感じられました。

これからの人生、「絶えず1歩前に」進んでいけるように思われました。