わたしのクリスマス

岡野 絵里子

今日の心の糧イメージ

買い物客で賑わう街、教会に集まる人々の静かな祈り・・様々なクリスマスの光景が甦る。思い出に残っている人々もいる。

 夫がアメリカの大学で研究職に就き、家族で滞在していたことがある。アメリカの職場らしく、夫が所属する研究室でも、家族ぐるみのホームパーティがよくひらかれていた。

 或る年のクリスマスのこと。料理を1品ずつ持ち寄るランチパーティーが計画され、場所は大学医学部の建物の1室になった。そしてその部屋に、全く別の研究室に属する研究者が1人いたのである。

 彼は薬品の染みのついた白衣を着たまま何気なく、私が作った太巻き寿司を食べていた。同僚たちの好きなビーフに、卵や野菜を彩り良く巻いたもので、かなりの量があったが、見る見るうちに減っていく。彼は気が済むまで食べ、更に白衣のポケットにさりげなく太巻きのいくつかを入れて、幸福そうに去って行った。聞けば、彼は日本食が大好きなので、日本人がいて日本食が食べられそうなパーティにやって来たのだとのこと。初めは呆れていた私だったが、部外者を受け入れて、いつになく楽しそうな同僚たちの姿に、はっとした。これこそクリスマスなのだった。

 クリスマスには、心をあける特別なことが起こる。お生まれになった幼子イエスに会いに来たのは、遥か異国の博士たちだったではないか。思いがけない人々の心と出会い、私たち自身もひらかれていく時なのだ。普段は業績を競い合う研究室の間にある高い壁は、この日は存在しなかった。自分の料理を喜んでもらえて、実は私も嬉しく、心がひらかれるように感じていたのだ。彼は少し風変わりな方法で、クリスマスのよき贈り物を私たちに置いていってくれたのだった。

わたしのクリスマス

古川 利雅 神父

今日の心の糧イメージ

12月に入ると街はクリスマス一色。辺りにはどんな光景が広がっているでしょうか。そしてみなさんは、これまでどの様にクリスマスを過ごされたでしょうか?

 私のクリスマスの懐かしい思い出。学校で一足早くクリスマスのお祝いがあり、その日風邪で学校を休んでいたら、担任の先生がプレゼントを家まで持って来て下さったこと。24日のクリスマスイブ、家の中にクリスマスの飾りをし、サンタさんからプレゼントを貰える様に靴下を吊るし、今年は何が貰えるかなと思って、心待ちにして床についたこと。クリスマス当日は、父の誕生日。みんなでお祝いするため、父が仕事から帰って来るのをひたすら待ったこと。

 社会人時代は、会社挙げてのクリスマス会に出たり、またクリスチャンになってからは、深夜のミサに出て、みんなで教会に泊まったり、真夜中にイタリア人の神父様と一緒に、信徒の方の家に行って一緒にお祝いをしたりなど、色々なことがありました。

 最近は、クリスマス・イブの夜はミサを捧げて、救い主の誕生をご一緒にお祝いした後、もう1つ担当している教会に行ってパーティーに参加。当日にもミサをしてお祝いして、修道院でお祝いする...この様なクリスマスでしょうか。

 人それぞれのクリスマスですが、クリスマスは、イエス・キリストの誕生の祝いです。目に見えない神様が目に見える人となり、私たちのところに来て下さった。これは本当に不思議なことですね。

 今年のクリスマス、大切な方と過ごすクリスマス、1人静かに祝うクリスマス、それぞれが、イエスの誕生に想いを向けては如何でしょう。思い出に残るクリスマスになるかも知れませんね。

 神様からの豊かな恵みと祝福が、みなさまの上にあります様に...。


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