新たな一歩

新井 紀子

今日の心の糧イメージ

3年ぶりに、長女の静が帰国しました。勤務している会社の日本研修旅行だそうです。北海道で暮らしている私たち夫婦は、東京まで出かけて行きました。元気そうな明るい顔の娘を見て嬉しくなりました。

3年前の秋のことでした。ニュージーランドに暮らす娘から電話がありました。

「アトピー性皮膚炎がひどくてね。かゆくて眠れないのよ。会社にも行けないほどでね、ずっと休んでいるの」

私はすぐに日本へ帰ってきて、治療するように勧めました。

娘は帰国し、憂鬱そうな顔をして我が家へやってきました。その姿を見て私は大変驚きました。普段から細いのですが、さらに細くなっていて帰国できたのが奇跡のように思えたからです。顔はもちろんのこと、首、背中、手足まで体液がやけどのように出ているのです。すぐに、病院へ連れて行きました。「これはひどい。治療には時間がかかりそうですね。」

食事は、アレルギーが出ないように気を付けました。布団、シーツも丸洗いできるものに変え、毎日洗いました。アトピー性皮膚炎に良い温泉にも通いました。そうして、雪が降るころには少しづつ眠れるようになってきたのです。すると食欲が出てきました。体力もついてきたのでしょう。雪の中を散歩したり、カントリースキーで歩けるようになりました。雪がとけるころ、ニュージーランドへ戻っていきました。その後、さらに半年が経ち復職できたのです。

「アトピーが良くなって、8キロも太ったの。自分へのご褒美に日本でトレンチコートを買うの」

娘は真新しいトレンチコートを嬉しそうに抱えて戻っていきました。かの地でコートの裾を風になびかせて、颯爽と新たな一歩を踏み出していることでしょう。

新たな一歩

崔 友本枝

今日の心の糧イメージ

仕事や人との関係で難しい局面にぶつかる時、神を賛美すると新たな一歩を踏み出せる。

「賛美の祈り」はあまり聞かない言葉だろう。しかし、聖書には賛美するたくさんの人を見いだせる。賛美とは、神が私たちのためにしてくださったことをほめたたえることで、賛美を始めると喜びがあふれて歌や踊りになる。

たとえば、「出エジプト」のとき。400年も奴隷だったイスラエルの民が、モーセを通してエジプトから脱出したとき、人々はタンバリンをもって神をほめたたえた。小羊が身代わりとなって長男が殺されずにすんだこと、海が2つに割れ、乾いた地を歩いて渡った奇跡など、神さまの業をほめたたえる。

さて、私たちも問題がある時に、神さまの手によるならばどんなことも解決できるという信仰を持ち、先取りして神をほめたたえることだ。すると素晴らしい解決がやって来る。私はそれを何度も体験した。なぜそうなるのだろう。

問題に目を留めてくよくよと心配し、不平不満を言っている時は神を忘れ、問題を心の中心に君臨させている状態になる。これは、両腕で悩みをかかえ込んで誰にも渡さない、という姿勢だ。

反対に、神さまは私たちを心配してくださる天のお父ちゃんだと信頼すると、心の中心に神さまを君臨させることになる。問題をかかえ込むのではなく、手を広げて、「神さま、あなたにこのことを委ねます。最善の道を教えてください」という姿勢になる。すると、私たちの自由意志を尊重なさる神は、これをしっかりと引き受けてくださる。

祈り続けるうちに自分は何をするべきかがわかってくる。

こうして新たな一歩が始まる。


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