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誕生の喜び

古川 利雅 神父

今日の心の糧イメージ

まだかな。もうすぐだよ。イルカの赤ちゃんが生まれたり、お馬の赤ちゃんが生まれたり、様々な生命の誕生をテレビなどを通して見ることができる時代に私たちは生きています。でも昔々の時代からお母さま方は、ご自分の忘れ得ないこととして、生命の誕生を体験しておられるのですね。赤ちゃんが生まれる時、お母さんには大きな産みの苦しみがあります。そして生まれると、苦しみを忘れて喜ぶ・・・。そんな光景が目に浮かびます。

さて、12月といえばクリスマス。神の独り子、救い主であるイエス・キリストが私たちのところに来られお生まれになった事を祝う特別な時。1人の小さないのちの誕生、救い主の誕生を世界中でお祝いします。

イエス様の誕生は、飼い葉桶の中に寝ている乳飲み子として、聖書の中で描かれています。救い主が、この様にしてお生れになった訳ですが、現代の私たちにとっては驚く様な誕生ですね。

ふと、イタリア人の神父様が、ご自分が生まれたのは家畜小屋、と仰っておられたのを思い出しました。寒い冬、家で唯一「暖」を取れるのが家畜小屋だったとのこと。それはほんの90年前のこと。誕生を見守り、喜ぶ姿。動物たちの暖かな温もり、人の暖かな心がそこに。

何もない様に思えても、温もりも暖かな心も、必要なものが全てそこにある。その様に考えながら、「誕生」について思いを巡らすと、今までとは違った想いがします。生命の誕生を、新たな眼差し、新たな心で眺めることができるのではないでしょうか。

誕生の喜び、いつまでも大切にできれば嬉しいですね。生命の誕生、全ての生命に思いを馳せながら、イエス様の誕生を、大切な方とともに迎えられてはいかがでしょうか?