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私とロザリオ

越前 喜六 神父

今日の心の糧イメージ

"ロザリオ"と言う言葉を聞かれても、何のことか分からない方が多いかもしれません。これは、カトリック特有の信心業、すなわち、お祈りの形や方法、そしてその道具を指しています。

ロザリオというのはバラの冠という意味です。仏教の数珠のようなものと想像なさればよいでしょう。10の珠がつながって輪になっています。カトリックの信仰では、救い主であるイエスの御母、聖マリアは特別な崇敬の対象になっています。礼拝と崇敬は違います。礼拝するのは、ただ三位一体の神さまだけです。聖母マリアをはじめ聖人たちは、信者の崇敬の対象に過ぎません。ですから、主なる神さまに対しては、「主よ、憐れみたまえ」と祈ります。しかし、聖母マリアには、「聖母マリア、わたしたちのために祈りたまえ」と唱えます。

太陽の光熱のように、神さまは私たちにすべての恵みや賜物などを、溢れるほど与えてくださいます。そして、聖人たちは、神への執り成しの力に優れています。したがって、イエスの母、聖マリアの執り成しは、ほとんどオールマイティーといえるでしょう。そこで、カトリック教会は昔から聖母を称える祈りを特別に大切にしてきました。その祈りは、ルカによる福音書の一章に記述されているように、主の天使が、ナザレのマリアの許に遣わされ、神の御子の御宿りを告げられた出来事に基づいています。西洋の名画「受胎告知」の絵に現されている場面といえば、おわかりになる方も多いかと思います。

「恵みあふれる聖マリア・・・罪深いわたしたちのために、今も死を迎えるときも祈って下さい。アーメン」

聖母のご絵の前で、10歳の私は毎日熱心に祈り、今も祈り続けております。