さて「繰り返し現象」には実に深い意味があるようで、子供の学習、武道の修行、歴史上の大戦争もありますが、私がいつも不思議に思いますのが「人間の愛の世界」です。
ギリシャ神話、日本の神話、あちこちの古くからの民話、美しい愛もあれば、暗く陰湿な愛の世界もあります。旧約聖書にも人々を涙と感動にさそう愛の世界もあれば、おぞましく不気味な愛の世界もあり、文学、絵画、音楽の世界でも大きなテーマが人間の愛の世界です。
スコットペックという心理学者は、名作「愛と心理療法」の中で「愛は訓練なり」と論説を展開し、人の愛は生まれながら、そう簡単に愛を身につけられるものではなく、日々の訓練によってしか完成されないと断言しています。
学校を卒業し社会に飛び込んだ若者は、職場、交友関連で今まで遭遇したことのないタイプの大人と出会い、混乱と自信喪失に陥りますが、職場で不信感、恥辱、疑惑、劣等感、孤立感、絶望感を味わっても、それは愛の訓練だと思い、乗り越える時、その体験の蓄積は若者を強く逞しく成長させます。
「地球の小さな生命が人類になった」ように素晴らしい愛の世界が自分のものとなるようです。「愛は訓練なり」という言葉は「愛そのものである全知全能の神様」からの贈り物のようです。