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私たちのお母さん

堀 妙子

今日の心の糧イメージ

わたしたちの「おかあさん」といえば、弟とわたしにとっての母。

しかし、母が帰天してからは、分かたれない心でマリアさまが真の「おかあさん」となった。わたしはマリアさまが「おかあさん」となってからは、毎日、心の中でマリアさまに電話をするようなお祈りをするようになった。するとマリアさまから、心の中にいつの間にか返事がある。「あなたもおかあさんの心を持ちなさい」と。「えっ、誰のおかあさんでしょうか」と、マリアさまに心の中で電話をする。「あなたが出会う子どもたちの『おかあさん』ですよ。」

思い返してみると、わたしは独身ながら、時々、何らかの形でおかあさんの心をもって接していかなければならない出来事に遭遇してきた。わたしは母親のもつ、「わが子」「うちの子」という、悪く言えばべっとりとした身びいき的な感覚は持っていない。独身だから、生きていく上での判断、決断は自分でしなければならない。だからこそ、出会った子どもたちに何が必要で、どうしなければならないかを、瞬時に判断できることが多い。私にできることは身を投げだして関わってきたつもりだ。

また、わたしの仕事のひとつだが、子どもたちのための週刊誌の編集作業に携わっている。子どもたちに直接に会うことはなくても、かれらの止まり木となり、一休みをして明日に向かって飛んでいけるようなメッセージを送っている。同時にその中で、子どもたちと関わる、若者からお年を召した方々にも、心の渇きをいやすメッセージを発信している。

マリアさまにならって、日々、わたしなりに、いつくしみのムーブメントを起こす、透明人間のように見えない「あなたたちの『おかあさん』」になりたいと願っている。