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いただく命

古川 利雅 神父

今日の心の糧イメージ

ひよこの誕生。鶏の卵を温め続けると、数週間後に殻が割れ初め、ひよこが生まれます。今はなんと殻を割った卵、丸見え状態でもOK。テレビで映像を見ましたが、高校生たちが、透明のラップの上で卵を温め、胚が段々に成長し、ひよこが誕生。びっくり。「ピヨピヨ」鳴きながら、走り回る姿も。学生さんたちは、生命の神秘を目の当たりにし、大きく変えられたのではないでしょうか。

幼稚園や小学校で、生きもの、動物や植物を育てた経験をお持ちの方も多いと思いますが、生きものを大切にする、いのちを大切にする。そのことを学ぶ大切な機会なのでしょう。

今の時代、自然や生きものとの触れ合い、人との関係が薄くなってきている様に思います。その様な中で、生きとし生けるもの、全てのいのちを大切にする。1人1人を大切にする。私たちは、そんな大事なことを忘れてしまっていることが多いかも知れません。

幼稚園の月1回のお誕生会。始まりの前、先生が弾くオルガンの音楽が流れると胸の前で手を合わせる子、神妙な面持ちで待つ子、落ち着かずきょろきょろしている子。子によって様々ですね。個性豊かな子どもたち。全てが大切な存在・・・ふとそんな事を思いながら、神様は誰よりもこの子たち1人1人を愛しておられることに思いを馳せていました。

そんな思いで見つめる時、眺める時、子どもたちだけではなく、全ての存在がいとおしく思えるでしょうか。いただいた命、いただく命、全ての命を大切にしてゆければ、人にも、物にもやさしくなれるでしょう。

私たちは日々パン、ご飯、肉、魚など、生きていた命を私たちの命の糧としていただいて生きています。そのことも心に深く刻んで歩んで生きたいですね。