クリスマスシーズンの街をきらびやかに彩るイルミネーションは商業的な面もあるかもしれませんが、家に帰る夜道の途中で、とある家の庭に点滅するクリスマスツリーの灯りを見る時、〈私達は大人になっても、クリスマスの夢を見たいと願っている〉ということを感じます。
確かに、本物のサンタクロースを実際に見た人はいないと思いますが、夜になり、子どもの私が、布団に入って眠りについた後、両親がそっと枕もとにプレゼントを置いたその心の中に、サンタクロースは存在すると思うのです。
今からおよそ2千年前、ベツレヘムの馬小屋でマリアは幼な子イエスを産みました。幼な子が生まれる前、貧しい羊飼い達が火にあたりながら仰いだ夜空の星々は、何か大事なことを知らせるように瞬きましたーー。天におられる神様の姿は、目に見えるわけでも、声が聞こえるわけでもありませんが、私達1人ひとりを、親のような言葉にならぬ思いで見守っています。イエスが誕生するクリスマスの夜には、そんな天から私達へのメッセージが込められているのでしょう。そう考えると、私が今、ここに存在して生きている日々自体が、天から与えられた贈りものであるーーという深い歓びが、心に湧いてくるのです。