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友好

森田 直樹 神父

今日の心の糧イメージ

今から半世紀近く前、私が幼稚園へ通っている頃は、初めて出会う友だちと、最初は少々、ぎこちなくても、遊び終わって家へ帰る頃には、とっても仲良しになっていたことがありました。「また、一緒に遊ぼうね。」といって別れたものでした。

それから、歳を重ねるにつれ、初対面の人たちと打ち解けるのがなかなか難しくなってきています。そもそも、最初の出会いから、相手の顔色をうかがってみたり、相手の意図は何だろうか、と探ってみたりと、お互いの心の壁を打ち破って、本当に心を通わせていくのには時間がかかってしまいます。

過去に誰かから傷つけられた体験を持っていたり、逆に、自分自身が他者を傷つけた経験をもっていたりすると、なおさら、初対面で心を通わせることが、ますます億劫になってしまいます。

ところが聖書によれば、イエスという方は、分け隔てなく1人ひとりと接し、躊躇することなく周りの人に手を差し伸べ、当時、社会から「のけ者」にされていた人々と食事まで一緒にした、と記されています。

イエスは私たち1人1人に呼びかけます。「もはや、わたしはあなたがたを僕とは呼ばない。・・・わたしはあなたがたを友と呼ぶ。父から聞いたことをすべてあなたがたに知らせたからである。あなたがたがわたしを選んだのではない。わたしがあなたがたを選んだ。」(ヨハネ15・15~16)

今もこのように呼びかけるイエスは、決して、私たちを裏切りません。また、私たちを傷つけることは決してしません。イエスはいつも私たちと共にいて、いつも自らの心を開き、私たち1人1人を受け入れ続けてくださいます。

時に、友情は壊れやすく、場合によっては傷つけられることもあります。しかしながら、イエスとの友好関係が消滅することは決してないのです。