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人生の教訓

熊本 洋

今日の心の糧イメージ

人生とは、「人がこの世に生きること。人間の生存・生活」あるいは「人の一生」を意味します。この一生をどう生きるか。また人間とは、なにか、そして、この世とは? これは実に大切、重要な問題ですが、だれしも、日々の生活に追われ、この難問をゆっくり考える暇はありません。とにかく、今の激動の時代をどう生き抜くか、多くの職場や、家庭では、そのことで、精一杯なのではないでしょうか。

テレビで、しばしば、赤提灯で、オイシク、タノシク、一杯やっている若者たちの健気な姿がクローズアップされますが、これは、表の激務を癒す裏の癒しの場面に過ぎません。オイシク、タノシクは、今の世代のモットー。人の感覚や意識は、その人の育まれた時代背景に左右されますが、今日の超高齢化社会においては、人々の意識、感覚の違いが、ますます大きくなっています。

戦争とその苦しみ、悲しみ、命の尊さを痛感した大正、昭和一桁生まれの超高齢者から、戦争を知らない戦後生まれの団塊の世代、「人生エンジョイ」のポスト団塊世代、同じく「楽しいことがなにより」とする新人類世代、「超安定志向」のさとり世代、そして、29歳以下の「つくし世代」。最も若い「つくし世代」では、周りの人が喜ぶように「人に尽くす」という喜ばしい特徴があります。

このように世代の移り変わりをみますと、各世代の交流と協力によって、新たな時代が、もたらされる兆しを感じます。人生経験80数年、昭和一桁からのジュニア世代への教訓は、「未来に対して、なんらかの責任ある人間、それぞれ、自らの存在意義を悟り、祈りと信念を持って、気高い人生を全うせよ」ということ。誠に深遠な探求の道のりでもあります。