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心を開く

黒岩 英臣

今日の心の糧イメージ

私は、なかなか人と打ち解けられないところがあるなーと自覚しています。ということから、周りにいる(息子も含めてなのですが)、すぐ他の人と親しくなれ、しかも相当深い付き合いにまで進んでゆく人を見ると、心底驚き、かつ尊敬の念も禁じ得ません。

私も人間はそうあるべきだと思ってはいるのですが・・。

少し長いですが、旧約聖書の創世記十18章のアブラハムの記事をご紹介しましょう。(参1〜9)

イスラエルの太祖、アブラハムの天幕の前に、見知らぬ3人の旅人がやってきた。アブラハムは彼らに走り寄り、ひれ伏して懇願した。「どうかここでしばらくお休み下さい。召し上がるものを調えますから」と言って、パン菓子を焼かせ、牛の群れから子牛を選んで、急いで料理させた。そして、客人が食べる間、そのそばで給仕をした」。

これと同じことを私が妻に向ってしたとすると、私はまず確実に叱られそうです。いきなり、何の準備もしていないところに「急いでパン菓子を作ってくれ」と言われても・・と絶句するでしょう。それに、子牛をさばいて料理にするのも、少なくとも半日がかりではないでしょうか。どっちにしろ、相当大変なことは間違いないと思われます。

しかし主イエスはこれを褒めています。「お前たちは私が飢えている時に食べさせ、渇いていた時に飲ませてくれた」。(マタイ25・35)弟子たちが驚いて、私たちがいつそのような事をしたのでしょう、と問いかけると、主は「私の兄弟であるこのもっとも小さい者の一人にしたのは、私にしてくれたことなのである」(同25・45)とお答えになったのですから。

このように、ある時、心の扉を叩かれる音がする、その時に心を開くことが出来れば幸いです。もし相手が私達の驚くような姿をしていても、それは主なのですから。