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心を開く

植村 高雄

今日の心の糧イメージ

自分を信じない人は何故か心を開かず閉じこもりがち、更には周囲に目を向けません。日々の生活での関心先が、その人の人生を決めていくようです。

激増している閉じこもり症候群の若者たち、特にキリスト教信徒の青年に私は関心を持っています。その背景、原因は複雑ですが、生き甲斐について上手に語り合えると、その若者は心を開いて色々語り出します。この場合でも、何に心を開くか、その興味の向け先で短期間に元気になる場合があります。

どの方向に心を開けばいいのかは人類の古来からの大問題ですが、「生き甲斐の心理学」の領域では三つに分類して研究しています。信仰の領域、臨床心理学の領域、基礎医学の領域の三つです。ここでは宗教心理学としての「信仰の領域」を思索してみます。

まずその青年が信仰している神のイメージの内容を点検します。整理統合したイメージの内、その若者を元気にした神のイメージは五つありました。宇宙を創造した神様、全知全能である神様、さらには愛そのもの、罪の許しと復活の神、三位一体の神、とくに自分にいつも寄り添い見守ってくださっている神様というイメージ、この五つのイメージの確認がとても印象的でした。その確認作業をしていくと、若者達の感情が整理統合されていくのです。心乱れていた若者が、段々と統合されイキイキとしてくる姿は、私自身に生きる喜びを与えてくれました。外観は一見、華やかに瑞々しい若者ですが、心の中は激しい不安感、怒り、身体症状、鬱、心の乱れに追われているのが青春時代のようです。

神のイメージがいかに大事か、その神のイメージを真面目に考え、点検し、味わう生活が人を健全にする過程に、神様の摂理を感じ感動しています。