でも、人間は心を閉ざしたまま、自分の殻に閉じこもって生きていくことは、辛いことです。
誰かがその人の悩みや悲しみを聴いてあげ、その人を否定することなく受け入れ、寄り添って歩むことが必要ではないでしょうか。家族や先生、友人、あるいは医師やカウンセラーなど、信頼できる人に心を開いて話し、聴いてもらえれば、案外すっきりと落ち着いたり、問題が消えていったりすることがあるものです。そうして、その人はまた笑顔を取り戻して元気に生活していけます。
有難いことに、私も定期的に心を開いて話ができる習慣をいただいています。
カトリック教会には、キリストが制定した「ゆるしの秘跡」というものがあるのです。普通、罪を告白すれば、人間社会では裁かれますが、神はゆるしてくださいます。そのためには、罪を痛悔して神父様に告白することが必要です。また、二度と犯さないと決心し償いを果たすことも条件です。
「わたしが来たのは、正しい人を招くためではなく、罪人を招くためである」(マタイ9・13)
そう言われた神は、罪を悔いる人を決して軽んじることはありません。あわれみをもって、ゆるし、受け入れ、寄り添ってくださるのです。