ストレス解消法

越前 喜六 神父

今日の心の糧イメージ

わたしのストレス解消法は、簡単です。少し気障に聞こえるかもしれませんが、静かな場所に行って、孤独になり、自由な瞑想をすることです。その場所に山があったり、木々が生えていたり、花が咲いているといった自然環境であれば、最高です。

大学の役職についていた頃は、会議や雑用が多く、研究や授業の準備もあまりできないので、よくいらいらしたものでした。そんな時は、仕事が終わるや、すぐ修道院に帰り、大好きな個室に入って仕事のことは一切忘れるように努めました。

何事に関してもそうですが、囚われることが最悪なのです。水や雲のように流れていれば心配いりません。

聖書のことばによく、思い悩むな、心配するな、恐れるな、というキリストの言葉が載っていますが、それは、不安や恐れや執着のような心の状態が、ある意味で罪よりも悪いことだからです。不安や心配がなければ、どんなに忙しくても、あるいは、どんな難しい問題も、わたしたちに何の害も与えることもできません。仕事や人間関係から離れるために、わたしは祈りや散歩、それに読書に時間やエネルギーを向けます。趣味やお稽古事をなさっている人は、時間を決めてそれに没頭したらいいでしょう。わたしには趣味がないので、豊かな木々や花々など自然豊かな大学の周辺を散歩するだけでストレス解消になります。

また、修道院の聖堂も静寂に包まれているので、心静かに座っていると、心の平安を味わうことができます。ある意味で至福の時といえるかもしれません。

一般の方々には、聖堂で心の平安を味わう余裕がないかもしれませんが、少し工夫されると、自然にストレスを解消できる場所が見つけられるのではないでしょうか。

ストレス解消法

シスター 菊地 多嘉子

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ある人が、何かの不安があるらしく、ものごしや動作が普通と違うのです。ちょっとのことで不快感を表し、何かを尋ねると、イライラした返事がかえってくる。そんなときは、ストレスがたまっているに違いありません。何気なく静かにきいてみるのがいいのです。

互いに信頼関係にある時には、少しずつ返事がかえってくるでしょう。そのうち、問題の核心にふれるかもしれません。忍耐して話す内容に注意しながら、耳を傾けているだけで、もう問題の大半は解決済みになることがしばしばです。

もし、そばに何でも話せるような人がいない時には、どうすればよいのでしょうか。

唐突かもしれませんが、わたしはイエス様にお話しします。何でもよく聞いてくださるイエス様が、そばにいてくださることを信じてすべてを打ち明けます。何もかも。そうこうするうちに、心が晴れ晴れとして解決法が見えてくるのです。

聖書にはこんな場面があります。(参:マタイ8・24〜26)

弟子たちが悪天候の中で船を漕いでいたとき、「先生、私たちはおぼれそうです」と叫ぶ弟子たちの声を聞いて、イエス様は、「あなたたちの信仰はどこにあるのか」と言い、起き上がって風と荒れ狂う波をおしかりになると、瞬時に海は凪となりました。

イエス様はどんなに小さなことでも、信頼されることをお喜びになります。幼子のように、弟子たちのように、イエス様の助けを求めるだけでよいのです。

些細なことも出来ない無力な私を、イエス様にお見せするだけでよいのです。


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