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天の国の鑑

湯川 千恵子

今日の心の糧イメージ

私は今のフランシスコ教皇様に特別の親しみを感じています。大好きなアシジの聖フランシスコを教皇職名に初めてお選びになり、その聖人の「清貧・平和・喜び」の徳性をごく自然に体現しておられるからです。

お住まいも歴代教皇様が住まわれた特別な宮殿ではなく、他の聖職者の宿泊館に住んでおられます。アルゼンチンの大司教時代も立派な司教館でなく一般のアパートに住み、バスで街に行き、貧困者を支えて奉仕された奉仕の日々の延長でしょう。

教皇様といえば、世界中に10億人以上いるカトリック信者の頂点に立つ神様の代理者で、政治や経済界の指導者とは別次元の精神的指導者です。イエス・キリストが一番弟子のペテロに直接命じられてから二千年余り、ずっと受け継がれてきました。時には腐敗してその崇高な役職の使命が歪められた時代もありましたが、その都度素晴らしい教皇様が選出され、神様の愛と正義のみ心が天の国と同様に地上でも行われるように導いてこられました。混迷を極める今の時代に最もふさわしい現教皇様が選ばれたことは神様のみ摂理だ と感じています。

最近、私はフランシスコ教皇様とインターネット上で「お友達」になり、世界中から訪れる人々への教皇様のお話をネット上で拝見できるようになりました。

教皇様のお話は、いつも明るく信仰の喜びと希望の言葉に満ちています。ある巡礼団には昔その国をお訪ねになった時の思い出と、その日のミサの聖書の言葉を分かり易く話されて、遠い日本の私も教皇様のお話を直接伺っているような幸せな気持ちになりました。

謙虚なフランシスコ教皇様はいつも「私のために祈ってください」といわれます。畏れ多くも「お友達」として、共に祈り、感謝しながら日々過ごしたいと願っています。