私が住んでいる鎌倉は多彩な宗教の街という顔を持っていて、古都の象徴である鶴が岡八幡宮がある一方、日本の禅発生の地として鎌倉五山と呼ばれる禅寺、新仏教の始まりの日蓮縁の寺も多く、明治時代になり欧米人によって建てられたプロテスタントの教会や、カトリック系の学校や修道院が多くあります。これ等神道、仏教、キリスト教の三宗教が合同で震災後すぐに、鎌倉の海辺で追悼祈祷会を行いました。これがきっかけとなり1周年を鎌倉五山第一位の建長寺で、2周年はカトリック雪ノ下教会で、3周年となった今年は鶴が岡八幡宮で、三宗教合同の追悼慰霊祭が開催されました。回を追う毎に三宗教の協力が緊密になり、チャリティー行事なども共催したり、人々の善意が一致していることを感じます。
ところで、名医と評判の病院長でいて、浄土宗の寺院の住職という友人が居ます。彼は「欧米での病院の起源は病んだ旅人を修道院が助けた事で、今もキリスト教と医療は密接な関係がある。日本では死ぬ迄は医療、その後が僧侶の領域と分け隔てられた状態。僧医の私には医療と仏教は共に癒しなのだ。」と云い、聖書の話も交え現代は「一日一生」、最後は感謝という生き方の一致を、願うことだと語り合うのです。