「東日本に行ってお手伝いしてきました。」と報告しにくる学生たちに、「ありがとう。ご苦労でした」とねぎらいながら、そして決して単位のために行ったのではないと信じながら、心の片隅に小さい疑問が残ります。
この人たちは、自分の家で、家事の手伝いをしているのだろうか、という疑問です。
かつて、マザーテレサのお話に感動した学生たちが、奉仕に行きたいと申し出た時、マザーは言われました。「ありがとう。わざわざインドまで来なくてもいい。自分の周辺のカルカッタで喜んで働く人でいてください」
愛を実践するということは、毎日の生活の中で、疲れ切った父母の手伝いをし、優しい心づかいをするということなのです。生き甲斐を失ったかに見える老人、祖父母に、生き甲斐を持たせることなのです。
今や、何と多くの愛に飢え渇いている子どもたちがいることでしょう。心の病を患っている人々も。
「単位」も出ない、何の見返りもない、周辺のカルカッタでの優しさ、手助けこそは愛の実践ではないでしょうか。実際「愛は近きより」Charity begins at home なのですから。