修道院に見舞いに来てくれた1人の精神科の医師は、「この病気は信仰と関係ありません。きっと快くなります」と慰めてくれ、他の医師からも、「運命は冷たいけれども、摂理は温かいものです」と言われて、うつ病になったのも、神の摂理だと考えるように、自分に言いきかせたものです。
もとの自分に戻るのに、2年かかりました。今でもストレスが溜まると、うつ気味になることがあります。
そんな私が、それでも感謝できるのは、病気をしたおかげで、他人に厳しかった私が、少し優しくなれたことでした。さらに「摂理」だったと思うのは、うつになり易い学生たちに、「私も、うつ病になったのよ。きっと快くなるから、辛くても我慢しましょうね」と、きれいごととしてでなく、言えるようになったことです。
「シスターもですか」と驚きながらも、安心した顔になる学生の顔を見て、「やっぱり感謝」と言えるようになりました。神さまに、「あの時は、お恨みしてごめんなさい」とお詫びする私になりました。すべては恵みの呼吸なのです。どんな不幸を吸っても、はく息は感謝であるよう心掛けたいと思います。