イエスは彼等の不信仰に驚き、預言者は自分の郷里では受け入れられないことを、旧約時代の実例を挙げて話し始めました。これを聞いた会堂内の人々は、激怒して立ち上がり、イエスを町の外まで追い出して、山の崖から突き落とそうとしたのです。救い主であるわが子が故郷を去って行く姿を、じっとみつめる母マリア。そのうしろ姿が語る万感の思いを、誰が汲み取ることが出来たでしょうか。
神の使いは、「あなたから生まれる男の子は偉大なものとなる」(参・ルカ1・32)と告げ、預言者シメオンは「この子は人類を照らす光」(参・ルカ2・32)と語ったのです。やがてマリアは、十字架の下に立つでしょう。それでもマリアは、神様のみ言葉は必ず実現すると信じ、希望し続けました。
聖母のうしろ姿には、死ぬほどの苦しみの中でも神様のみ言葉を疑わない母のゆるぎない信仰と、わが子への限りない愛が秘められています。