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3人の自分

ハヤット 神父

今日の心の糧イメージ

人はそれぞれ、3つの違った面を持っています。

第1の自分は、公の場での自分です。たいてい、ちょっと固くなり、形式ばります。人前に出る時、その場に合う服装をしているかと確かめます。髪を整え、顔を洗い、きちんと振舞うように注意します。他人に、変な感じや嫌な感じを与えるおそれのあることは、しないように気をつけるのです。

第2の自分は、ひとりでいる時に現れます。自分の部屋にひとりでいる時は、勝手気ままにできます。外見を気にしないで、くつろいだ服装をします。どこかかゆければ掻き、鏡の前で自分に向かってしかめっ面をしたり、歌が歌いたければ歌います。言いたい時にひとりごとも言いますし、手足を伸ばしてあくびもします。全く自然に振舞うのです。

第3の自分は、心の奥深くに隠れています。時々我々は、そこにそれがあるのを忘れることさえあります。しかし、ある時にはその存在を感じさせてくれます。

人の集まりの中にいて、懸命にエチケットを守ろうとしている時、内部の自分が話しかけます。「みんなに丁寧にしているのは、本心からですか?または、みんなが好きだというフリをしているだけですか?」と聞いてきます。

あるいはまた、ひとりでだらだらしている時、ばかなことをしている時、がっかりして沈みこんでいる時などに、内部の声が聞こえてきます。「何かもっと値打ちのあることをしてはどうですか?」と。

「人前の自分」「ひとりでいる時の自分」「内面の自分」、3つとも大切です。しかし人生の道を間違いなく歩ませてくれるのは、「内面の自分」にほかなりません。それが問いかける質問はうるさいかもしれませんが、耳をかたむけるようにしたいものであります。