飛行機の乗り継ぎの際に、せわしなくコーヒーをもとめて並んでいたときのことです。前の人が振り向いて、私に何を注文するのかと丁寧に尋ねてきます。1、2秒して、あな...
飛行機の乗り継ぎの際に、せわしなくコーヒーをもとめて並んでいたときのことです。前の人が振り向いて、私に何を注文するのかと丁寧に尋ねてきます。1、2秒して、あな...
英語で会話する友人と、最近こんなやりとりで始めます。 「ハーイ、どうしてる?」と私。すると、「何とか、生き残ってるわ」と返ってきます。 最近まで「生き残る...
ある雨の日に居間でソファーに座り、母とくつろいでいました。 母は読書、私はエッセイのテーマ「光と影」に思いをめぐらせていました。頭の中は、目の前のコンピュー...
ある写真を鮮明に覚えています。近所の友だち二人と私とで、小学校からの帰り道、雨のなかを幸せそうにスキップしています。レインブーツとレインコートに身を包み、この...
娘が3歳になるまで我が家に車はありませんでした。 ある日近くのバス停までゆっくり歩いていると、鳥の一群がけたたましく鳴きながら、道向かいの電線に止まりはじめ...
昨年米国を訪れたとき、たまたまボストン・レッドソックスのホーム、フェンウェイ・パーク球場近くで、ある掲示を目にしました。 チームあげての慈善活動を宣伝するも...
よく日本語で間違いをします。面白いものもあります。初めて富士山と耳にしたとき、日本人はなんて丁寧なんだろうと感心しました。山にも尊敬をこめて「さん」づけで呼ぶ...
2月といえば、私には複雑な感情が入りまじった月です。寒くて、暗い。もっとも短い月だけど、重苦しくて長い。なにかとキツイ月です。荒涼としていて、長らく忍耐が重く...
私の父とその兄弟たちの物語を始めると、子供たちは「もう100回も聞いたよ、」とため息まじりに応えます。私はというと、我ながらでかした、とほくそ笑むのです。 ...