

米国、公民権運動の指導者マーティン・ルーサー・キング・ジュニアは偉大な説教家で、言葉の力を操る
「最後に私たちが覚えているのは敵の言葉ではなく、仲間の沈黙なのです。」(1968年)
友による裏切りの方がもっと重く心にのしかかる、という考えはさほど新しいものではないのですが、キング牧師はそれを巧みに言ってのけました。
修辞的技法(レトリック)によって、彼の台詞はより記憶に残るものとなりました。言葉と沈黙、敵と友といった相対するものを上手く並べて置いています。
一つ目の対置には目を見張ります。人々はよき友情を盛り上げるために、〝言葉とくれば行動〟と予想しますが、予期せず沈黙をあてて、大きな落胆を伝えることで、より大きな効果を生み出します。
ああ、自分は友のためにいつ声をあげなかったか? 友が私を守るために何もしてくれなかったのはいつか? と顧みるのです。
二つ目の対置、敵と友はよくあるものです。キング牧師は公民権運動という特殊な文脈で人種の平等を訴えて、この言葉を発しました。友とは人種差別を罪として理解した人々、敵とは人を肌の色で判断する人々でした。
ところが、
しかし、