

豊かな生き方とは――と考えてみたら、「足るを知る」という言葉が思い浮かびました。これは、『老子』の中の言葉「
「足るを知る」――それを生きる人は、いったいどのような人なのだろうか、と思います。多くの聖人が思い出されますが、その一方で、やはり良寛さんのことが、思い浮かびます。「
聖書にもあります。
「いったいあなたの持っているもので、いただかなかったものがあるでしょうか」(1コリント4:7)――そう語ったのは、パウロ。彼によれば、すべては神から与えられたもの。ですから彼はまた、次のように語ります。「生きているのは、もはやわたしではありません。キリストがわたしの内に生きておられるのです」(ガラテヤ2:20)。自分は、ただキリストで満たされている。それが、自分の豊かさそのもの。
イエスは語ります――「心の貧しい人々は、幸いである」(マタイ5:3)。ここで語られる「貧しい人」は、「柔和な人」と、語源的につながっています。貧しさにこそ、真の柔和さが現れます。
「心の貧しい人」とは、「霊において貧しい人」「神以外に頼るもののない人」とも言われます。つまりそれは、どんな悲しみの中にあっても、ただ神の前に背をかがめて、神への信頼を貫く人。
ここにおいて、「心の貧しさ」と「豊かさ」は、一つになります。
*参考文献「