

子供の頃、よく草むしりをしました。家の小さな庭、学校、教会、そして近所の道端。当時は、草むしりも大切な日常の営みの一つでした。
その際、大人たちから口を酸っぱくして言われたことがあります。
それは「必ず根っこから抜きなさい」ということでした。地面から顔を出している葉っぱや茎だけをむしっても、根っこが地中に残っていれば、雨が降ればまたすぐに生えてきてしまいます。
雑草の種類や土の状態によって、面白いようにするりと抜けることもあれば、どんなに丁寧に力を込めても、途中でぷつりと切れて根が残ってしまうこともありました。
少し成長してから、雑草を根こそぎ掘り出すための特製のスコップがあることを知りました。もし、その道具を使っていたなら、草むしりはもっとはかどっただろうなと、少し残念な気持ちになったことも今では懐かしい思い出です。
こうした経験は、私たちの日常生活にも通じるものがあると思います。それは、自分自身の弱さであったり、どうしてもやめられない悪癖、あるいは罪の誘惑かもしれません。
表面だけを整えても、改善は難しいものです。大切なことは、自分の欠点を深く糾明し、その「根っこ」に何があるのかを見極めることです。そこから本当の改善が始まります。
深く張ってしまった根を引き抜くためには、やはり「特製の道具」が必要です。
私たちカトリック信者には、「ゆるしの秘跡」という素晴らしい機会が与えられています。
このゆるしの秘跡に臨むにあたっては、自らを深く糾明し、神様の恩恵の力で心の雑草を根っこから引き抜く努力をします。そして、心を神様の愛で満たすのです。