▲をクリックすると音声で聞こえます。

多様性

コリーン・ダルトン

今日の心の糧イメージ

 数年前ちょっとしたカルチャーショックを経験しました。
 米国の故郷に帰省中のことです。近所のスーパーで私の前に母親と4、5歳の女の子が並んでいました。女の子がふり返ると私の後ろの方になにかを探していました。それから向き直ると、すぐに商品を詰め込む母親の手伝いを始めたのです。

 私は日本の地方都市で四半世紀以上も暮らすうちに、子どもというのは、私のことをじろじろ見つめたり、二度見したりするものと無意識に決めつけていたのです。ところがこの女の子は私に気をとめるそぶりもなかったのです。日本での反応に慣れていた私は、こんなふうに関心を示されないことに、しばし戸惑いました。

 悪意のあるものでないときも、じろじろと見られるだけで居心地の悪い、いやな感じを懐くものです。
 祖母はよく「人をじろじろ見てはいけません」と優しく諭したものです。私自身も子供たちに、お行儀のいいことではないと教えてきました。じろじろ人を見たりしないことで、プライバシーを尊重し、衝突の機会を減らすことにもなります。

 片や相手を見つめることは興味や関心を示すことで、こうした感情はむしろ励ましてもいいのです。
 ただ、こそこそのぞき見するような気持ちになるのは困りますし、チラ見にはやましさを覚え、目に見えることをも狭めてしまいます。

 2、3秒チラリと見る間では、違いにばかり目についてしまい、どこが似ているかを見つけないまま終わってしまいます。
 そこで、子どもたちに「じろじろ見てはいけません」と教える代わりに、他者に対してもっと興味と関心を示す前向きな行動で、模範を示していきたいものです。

 見つめるだけでなく、ときに「こんにちは」と声掛けしてみてはどうでしょう。