

都内の私の家から20分ほど歩いたところに、ダウン症をもつ書道家の
1年前、1階の喫茶店の入り口に立っていると、店内から翔子さんが笑顔で手招きをしてくれ、導かれるように入店したのが最初でした。
翔子さんと二人三脚で歩む母親の
お店に通うようになってからは、ダウン症をもつ子の親同士として交流が深まっています。 泰子さんはいつも優しく声をかけてくださると、時に芸術サロンのような語らいが生まれ、私には豊かな時間です。
「翔子さんはいきいきとウェイトレスさんをしていますね。書道の道があり、さらにお店を実現したことは、お母様の育て方と生き方が一貫しているからでしょうか?」とうかがうと、「書道家だけではなく、あの子は接客に向いているようです。障がいをもつ娘が、一緒に働く仲間に支えられ『共に生きる』場所を作ることで、私の願いは本当に一貫した、と思います」 と話されました。
この店に入ると翔子さんが明るく「いらっしゃいませ」と迎え、食事や飲み物を丁寧に運びます。
生きづらい世の中だからこそ、彼女の無垢な笑顔を見倣いたいのです。私自身も心のケアをテーマにした法人の運営をしているので、訪れた人が温かな気持になる場を育みたいと願っています。
障がいをもつ人と周囲の仲間が支え合う場所は、全国にあるでしょう。一人ひとりの個性が集い、共に生きる場所がいつまでも守られる社会でありますように――と、私は密かに祈っています。