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多様性

越前 喜六 神父

今日の心の糧イメージ

 多様性とは何でしょうか。けっこう難しい問題だと思います。多くの人は、10人いれば、10人ばらばらになることが多様性だと考えていますが、それでは混乱が生じるだけです。

 お花の例を見てください。花は花でも、色々な花があります。バラもあれば、スミレもチューリップもあり、さまざまの花があります。これが花の多様性でしょう。

 私は雪国の出身なので、雪に多少とも関心があります。雪は雪でも、粉雪、牡丹雪、細雪(ささめゆき)など、さまざまです。しかし面白いことには、雪のひとひらでも顕微鏡でよく見ると、結晶がみな違います。まったく同じ結晶をしている雪のひとひらは、ありません。

 このように同じ雪でも皆違うように、人間も人間としては同じでも、人格としては、皆違います。ですから、人間でも事物でも、一体であると、同じであることとは、違うということです。

 この区別がきちんとできていないので、大騒ぎになるのです。誤った認識から、誤った判断が生じ、その結果、無用なトラブルが発生するのです。
 為政者や教師や事業家たちは、多様性における一致を大切にするでしょうが、その一致とは、同じようになることや、同じようにすることではないことを自覚すべきでしょう。

 多様性を尊重するということは、どんな人も動物も、また事物でも、全く同じものや同じことは無い、と気づくことから始まります。それぞれが皆、完璧で独自性を持っていることを認識しなければなりません。

 学生のとき、一人の神父から教わりました。
 多様性における一致、その核心は愛です、と。