クリスマスのおとずれ

黒岩 英臣

今日の心の糧イメージ

 もうクリスマス!早いですねー。

 「クリスマスって言えば」と妻が切りだしました。「子供達にはご馳走とケーキでしょ?」。「それに」と私が続けます。「クリスマスツリーの下か、靴下の中にサンタさんが入れてくれるプレゼントだよね」。

 こう考えると懐かしいですねー、クリスマス。そのクリスマスとは一体何なのでしょうか。

 新約聖書によりますと、舞台は2000年ちょっと前の、ユダヤの寒村ベツレヘムです。旅行中の聖ヨゼフと聖母マリアは、ここに宿をとろうとしたのですが、満室だったのか、部屋をとれず、ついに打ち捨てられたような真っ暗闇の馬小屋で赤子を出産したのでした。

 この赤子こそ、イエス・キリストなのです。そして全世界の教会は、私達の心のあり方を劇的に変えることになったこの日を、毎年祝っているのです。

 このことがあった30年後、イエスは神の国が到来した、と福音を宣教しはじめました。その時、全能の父である神は、「これは私の愛する子、私の心に適う者である」(マタイ3・17)と宣言されたように、イエスは神の子であり、同時に神そのものなのです。

 こうして、クリスマスの飼い葉桶を覗いて見る私達も、後のイエスから「あなたは私を誰だと思うか」と、問われるでしょう。その時、「あなたはキリスト、私の救い主です」と言えるようでありたいものです。(参・マルコ8・27~30)

 アダムとエバ以来、疎遠にしてきた神との間柄を、神ご自身が仰る喜びと幸せで満たして下さるために、キリストは人間になられたのです。

 そして、自らの命をそのための代価としてお支払い下さったのでした。

 私がそこまで愛されているなんて・・。

クリスマスに学ぶ

森田 直樹 神父

今日の心の糧イメージ

 今年もまた、クリスマスがやって来ます。クリスマスを待ち望む周りの雰囲気にのせられて、何かしらわくわくした楽しい気持ちになってしまうのですが、恋人がいない人たち、家族のいない人たちにとって、クリスマスは寂しく、少し残酷な季節のようです。

 しかしながら、これは、一つの真理を私たちに教えてくれています。それは、人は1人ぼっちでは生きていけない、ということです。プレゼントをあげたり、もらったりするためには、相手が必要です。また、楽しい気持ちを分かち合うためにも、相手が必要です。一人ぼっちではクリスマスを本当に心から祝うことが難しいのです。

 言い換えると、クリスマスは、人間とはお互いに支え合い、助け合って共に生きていくものだ、ということを教えてくれているのだと思います。

 加えて、クリスマスは、与えることの大切さをも教えてくれています。誰かのことを思いながら、時間を使い、知恵を絞ってプレゼントを選びます。受け取る人が一番喜ぶものを考えて、時間を過ごします。クリスマスとはそんな季節でもあるのです。

 クリスマスは実に不思議なひとときです。忙しい日常の中にあっても、誰かのことを思い、誰かのために何かをしていくことができるひとときです。また、不思議とわくわくした気持ちに変えられていくひとときでもあります。クリスマスは1人ひとりを変えていく季節なのです。

 神さまがこの世にお生まれになった、それも最も小さな赤ちゃんとして、この世にお生まれになった。神さまからの人類への大きなプレゼントとして救い主キリストを与えてくださった。このようなことを知らない人でも、クリスマスは私たち一人ひとりを変え、人間の本当の姿に気付かせてくれる不思議な季節なのです。


前の2件 1  2  3  4  5  6  7  8  9  10  11