「あんまりムリをなさらないようにね」
よく転んでは骨折したり捻挫したりする、そそっかしい私をひとはこう言って労ってくださいます。
労わるというよりは、牽制されているかもしれませんが。
たえず前向きに行きましょう、まではいいのですが、一歩一歩をていねいに確実に、が抜けてしまい失敗するようです。
それにつけても思い起こすのは聖路加国際病院の日野原重明先生の言葉です。
「年をとったら過労死などないと思いなさい。遅かれ早かれ、いずれ死を迎えるのだから遠慮はいりません。無理していいんです。無理して頑張ろうじゃありませんか!」
日野原先生は90歳を過ぎても現役でいらした方。
朝、目覚めるとさすがに疲れが溜まっていて仕事に出かける気がしない。今日は休みたい、休もうと思っても時間になると病院に出かけ、仕事をされたそうです。いざ、一歩足を前に出すと気力で保つ。これが大事なのです。
この先生のエピソードを聞いたか読んだりした時は、「あんなに穏やかで優しく、いつも私達を励ましてくださるクリスチャンの先生がこんなに激しいことを仰るとは」とびっくりしたものです。
でも、けだし名言。ただ、むやみに頑張れ頑張れとハッパをかけているのではありません。先生の深い生死観、愛情に根ざした人生への洞察からあふれ出た、私達へのラブメッセージではないでしょうか。
死を恐がることはないんだよ、死ねば私達は丸ごと神さまのものになるのですからと。
聖パウロも言っていますね。患難につぐ患難の旅路の果てに「死ねばもうけもの」。でも、まだ神さまから委ねられた使命があるから頑張らなくては、と。
「もうけもの」っていいですね。 嬉しくなります。