このようなお母さんに育てられる中で、マザーは、苦しんでいる人がいたら、自分を犠牲にしてでも助けてあげるのが当たり前と思う人物に育っていった。「苦しんでいる人がいたら、自分を犠牲にしてでも助けてあげずにはいられない」というマザーの奉仕の心はお母さんから引き継いだものだったのだ。
子育ては、自分育てだとよく言われる。思いやりのある子どもを育てたいなら、まず自分自身を思いやりのある大人に育てる以外にないのだ。自分が実践できていない高い理想を、子どもだけに求めても、それは無理なことだろう。子どもが思ったとおりに育ってくれないと感じるならば、それを嘆く前に、自分自身が自分の思ったとおりに生きられているかどうかを確認する必要がある。
「こんな大人に育ってほしい」と願えるような大人に、わたしたちはなれているだろうか。