「人の心は何にもまして、とらえ難く病んでいる。誰がそれを知りえようか」(エレミヤ書17・9)これは紀元前に記された旧約聖書の一節ですが、古来変わらぬ人間、心の苦悩は消えず、病み続けているのでしょうか。
いったい、心とは何なのか。広辞苑を見ると、心とは、知識・感情・意志が一体になったものという説明から、思いやり、なさけ、志など主な意味をあげています。また漢和辞典を見ますと、「心」は、心臓の形からきた象形文字、その「心」を表すリッシンベンのついた漢字が300近く、心の文字の入った漢字は『愛』など無数に発見されます。いかに心の働きが多様であるかを物語っています。その心の奥底にあるものは、広く、大切なハート・マークで象徴されるように「隣人をあなた自身のように愛せよ」(マタイ22・39)の高次元の「愛」「人への深い思いやり」と言えそうです。
「心から感謝」という表現がありますが、そのときの己の知識・感情・意志は、それぞれ百点満点、この知情意の満点を常々大切に、天のみ旨をおもんばかりつつ、魂の翼、心を大いに羽ばたかせたいものであります。