「心の糧」は、以前ラジオで放送した内容を、朗読を聞きながら文章でお読み頂けるコーナーです。

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坪井木の実さんの朗読で今日のお話が(約5分間)お聞きになれます。

手助け

湯川 千恵子

今日の心の糧イメージ

 「手助け」というと、ちょっとした心遣いや親切をされたり、したりして、互いに感謝し合う日常生活の喜びの一コマを想う。

 私は先走りして事を急ぐ反面、暢気に夢想する癖があり、神様のことを考えてボーッとしていて、はっと現実に戻り、慌てることが多い。その時々、夫や周りに助けられて乗り越えてきた。

 高齢になり杖が必要で動作も鈍く、教会の奉仕も出来ない昨今、手助けを受けることばかりで、充分な恵みを頂いている神様にも申し訳ない日々である。

 先日、道で転んでしまった。口の出血が止まらず、通行人の世話を受け、救急車で病院へ。口の内外を6針縫ったが、精密検査で骨折も脳内異常もなく入院も不要で、そのまま帰宅できた。

 転倒は一瞬で全て神様のみ手の中で起きた事の様に想われる。

 骨折とか、顔面大手術といった惨事になったかも知れないのに、守って頂いた!と私は唯々心から感謝した。

 7日後、いつも通りリハビリに参加して皆さんと「よかった!よかった!」と喜びあった。施設のスタッフAさん曰く、「転んで六針も縫ったのに、『感謝!感謝!』という人を私は初めて見た。感謝!という言葉は素晴らしいので、私も皆さんに宣伝しようと思う」。その言葉を聞いて私は嬉しかった。彼女は、いつも明るく患者さん一人一人に優しく励ましの言葉をかけている。私は「慈しみと愛があればどこにでも 神はそこに共にいる」という聖歌を思い出した。

 彼女によって励まされ、「そうだ!私も直接働けなくても、常に共にいて、弱い私たちをそっと救ってくださっている神様の愛と慈しみを、祈りで伝えることができるんだ」と気付かされた。

 そして、今回御世話になった方々に今一度感謝したのだった。