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繰り返し

越前 喜六 神父

今日の心の糧イメージ

わたしが学生時代ラテン語を履修していた時、ラテン語で、「繰り返し、換言すれば、復習は学習の母」という諺、ラテン語式に発音すると、「レペティチィオ エスト マーテル ストゥディオールム」という言葉を教わりました。

何事でもそうですが、繰り返すことによって、物事や技術が成長していくのです。繰り返しというのは、退屈で、つまらなく感じられます。しかし、周りを見ていると、職人でも商売人でも、事務員でも学者でも、つまらなく思える動作や行動を繰り返しているうちに、上達し、成熟していくのが分かります。

わたしがラテン語を学習しているときも、単語を繰り返し、文法を利用して構文を作ることを、毎日繰り返しているうちに、2年目になると、ラテン語に対する自信が湧いてきて、話す、書くことが苦にならなくなった経験があります。

座禅もそうです。初めに、禅宗の老師に、坐ることを教えられ、腹式呼吸をし、思考を離れて、ただ座る座禅の行を毎朝、20分実行して、30年以上にもなると、椅子座禅を含め、姿勢を正し、呼吸を整えて、ただ座っているだけで、何とも言えない心の平安と静けさを味わうことができます。これも、繰り返し継続してきた結果ではないでしょうか。

習慣は第2の天性ともいわれます。最近の人は、読書をあまりしないと言われます。それも、若い時から本を読む習慣がないからではないでしょうか。

わたしは、本屋に生まれ育ったので、隠れてでも本を読んでいました。そのせいか、高齢者の今でも読書なしには生きられない感じがします。幸い、今でも共同体の図書係なので、予算の範囲内で面白い新刊書を購入し、読んでいます。楽しいです。