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担い手

シスター 谷口 恵美

今日の心の糧イメージ

 「担う」という言葉を聞くと、私には「重荷を負う」という言葉が連想されます。そして、修練院時代の体験がよみがえります。

 修練院では畑作業の時間がありました。その作業の時、正しくは「担う」つまり背中に何かを乗せたのではないのですが、重い肥料をみんなでひたすら畑に運んだという体験があります。

 平地ならまだしも、畑に行くためには70段ほどの階段を上らなければなりません。まだ若く体力もある私たち、20数名でしたが、トラックで運ばれてきた大量の肥料を前に、永遠とも感じられる時間、階段でバケツリレーのようにして必死で運んだその姿、皆様にも想像していただけるでしょうか?
 今では笑い話ですが、「あの時は本当にきつかったね~」と仲間の中で語り続けられている出来事です。

 さて、話は変わりますが、イエス様が担われた使命はいかがなものだったのでしょう。私たちが担った肥料の重さとは格段に違っています。雲泥の差という言葉がぴったりでしょう。「人々の救い」という大きな使命を担われたイエス様。その使命の大きさ、重さ、尊さ、愛の深さ。ほんの少しの困難や苦しみを感じて、すぐに投げ出したくなる私と大違いです。

 イエス様は私たち一人ひとりを大切に思い、その弱さに寄り添ってくださいます。私たちの弱さゆえの罪のためにその十字架を担い、十字架に架けられ、すべてを捧げ尽くされました。そしてひそやかにご復活なさり、私が投げ出したくなる重荷を、「一緒に運びましょう」と今も共に担ってくださるイエス様。

 そのような復活のイエス様の命に支えられながら、今度は自分の荷だけでなく、誰かの重荷も共に担う「担い手」になれたらと、このご復活節にあたって思います。