「心の糧」は、以前ラジオで放送した内容を、朗読を聞きながら文章でお読み頂けるコーナーです。

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坪井木の実さんの朗読で今日のお話が(約5分間)お聞きになれます。

崔 友本枝

今日の心の糧イメージ

 最近私が読んだのは『僕には鳥の言葉がわかる』という素敵な本でした。著者は、鈴木俊貴(としたか)氏で東大の准教授です。本書はシジュウカラの声の意味を解き明かした画期的なものです。

 この本によると、これまで言葉は人間だけのもので、他の生き物の声は、感情を表しているにすぎないと信じられてきました。ところが著者がシジュウカラを観察し、実験を重ねるにつれ、彼らは特定の意味をもった言葉で仲間に情報を伝えているとわかったのです。

 森の中は命を脅かすものに囲まれています。天敵のタカやヘビが来ると仲間やヒナに伝えて命を守りあっているのです。親鳥が「ジャージャー」と鳴くと、「ヘビ」を意味します。この声を聞くと、一度も巣から出たことのないヒナも、もし、ふ化してから15日を過ぎていたなら飛び立ちます。ヘビは巣に入るので、他に生きのびる道がないのです。

 著者が双眼鏡で初めて飛んだヒナを見ると頭の羽は逆立ち、目は大きく見開いていたそうです。勇気を出して命がけで飛んだことがわかります。感動しました。
 カラスが来ると親は「ピーツピ」と鳴きます。これは警戒しろ!という意味で、エサをねだって騒いでいたヒナは一斉に静まりかえり、身をグッと低くしてうずくまるそうです。巣の入り口は小さいのでカラスのくちばしは届きません。

 研究者の道を一心不乱に追求した成果を読むと、神さまの計らいを思わずにはいられませんでした。

 大自然を生きる小鳥たちにこれほどの配慮をしてくださる神さまは、私たちをどれほど愛し、細やかに優しく包んでくださっていることでしょう。

 「命を愛される主よ、すべてはあなたのもの。あなたはすべてを愛おしまれる」(知恵の書11・26)という聖書の言葉が胸に浮かびます。