「心の糧」は、以前ラジオで放送した内容を、朗読を聞きながら文章でお読み頂けるコーナーです。

「今日の心の糧」のお話しをメールで配信しております。ご希望の方はこちらからお申し込みください。

(月~土)毎日お話が変わります。

Audio Player
▲をクリックすると音声で聞こえます。

坪井木の実さんの朗読で今日のお話が(約5分間)お聞きになれます。

受けとめる

松浦 信行 神父

今日の心の糧イメージ

 名簿に150人ほど在籍、実質は日曜日の礼拝参加者が30人未満という教会で、私はその教会の将来がとても心配でした。

 それで、一人の信者さんと色々なことを考えて相談していると、その話が外部に漏れ、なにやら大騒ぎになり、教会の古い信者さん達がやってきて、説明会を開いて欲しいとの要望が出ました。

 まだ説明会を開くほど、未来像がまとまっていなかったためどうしようかと思っていたのですが、ここは課題を皆に真剣に訴え、将来を皆で受け止めて貰おうと決心したのです。

 集まりの当初から、私はこう切り出しました。「皆さん、私たちの教会の未来は、次の4通りになると思います。第1は、このまま何もせずに消えていく教会、第2に少し頑張って、でも息絶えて、同じように消滅してしまう教会」。私は続けました。

 「第3に、私たち教会は祈りと資金提供に徹して、外に向けての活動を外部のボランティア団体に任せる教会。第4に全く新しい教会の姿を考え生きていく教会。どれを選びますか?」

 すると、信者さんの代表格の人が「なるほど、私たちの力量では、第3の道しかありませんね」。

 それに答えて私も「そうでしょう。私も第3の道しかこの教会の未来は無いと思います。私はこの教会が生き続けて欲しいのです。それを実行できるかを練っていたのです。」

 その後、場の雰囲気ががらりと変わり、一緒に未来を受け止めて協力しようという雰囲気になり、とても良い意見交換会となったのです。

 本質を避けることなく、目の前の課題と将来を見つめ、その状況を真剣に受け止めることは、前進するために不可欠なことだと、私はあらためて思ったのでした。