「心の糧」は、以前ラジオで放送した内容を、朗読を聞きながら文章でお読み頂けるコーナーです。

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坪井木の実さんの朗読で今日のお話が(約5分間)お聞きになれます。

忘れられない人

植村 高雄

今日の心の糧イメージ

 私の人生で忘れられない人といえば、既に亡き明治生まれの父母です。両親は何といいましても私の宝物。妻や家族、兄弟、友達は言うまでもありません。けれども、とりわけ想い出すだけで、私の心がキューンと引き締まり、かつ余りの懐かしさから、感謝の涙が流れ出す方がいらっしゃいます。

 その方は神父さん。いま放送中のこの番組「心のともしび」を日本で最初にスタートさせた、ハヤット神父様です。

 神父様との出会いは、突然かかってきた一本の電話からでした。
 「私はカトリックのハヤット神父と言います。あなたの書いた本『人の身体は神の神殿』を読みました。ぜひ、ラジオ放送の原稿を書いて下さい。次のテーマは『元気に生きる』です。宜しくお願いいたします。」

 私はびっくりしましたが、思わず「ハイ」と引き受けていました。
 さらりと引き受けた私に、神父さんもびっくりしたと思います。

 このような出会いは生まれて初めてのことでした。10年くらい後には依頼されてテレビの連続講座も始まります。

 振り返れば、退屈で嫌々法律の勉強をしていた大学時代からのち、 私の人生は激流の川のように流れ去っていきました。

 ロシア、南米などでの暴動で助け合った見知らぬ人々、乗っていた船が沈没の危機に遭遇した時にかかわった人々、といろいろ思い出されますが、このハヤット神父様との出会いで激変した私の人生、何とも不思議な出会いが人生にはあるものです。

 

 テレビ撮影時には失敗も沢山ありましたが、ハヤット神父様はそんな私を(とが)めることなく、暖かく優しく指導して下さいました。

 忘れられません。