2024年02月のコリーンのコーナー

(北海道)旭川白百合幼稚園
インファントルームへの小径 と ブランコ遊びをする園児

「二月の暦(ページ)に託した希望」②

 学生の問いには感謝しています。これが人生の愛おしい瞬間を思い出す切掛となったのですから。また、「好きな季節はなに」という質問については、暦の区分、春夏秋冬の選択肢にまかせておけばいいんだと感じさせてくれました。秋が一年のうちで好きな季節、私はそう言えます。これまで四つの季節をみな何回も存分に味わってきたうえで、私にぴったりの季節であると。秋はまた訪れるでしょう。それを心まちにすることができます。ところが、人生の季節となると、そうはいきません。自由と成長のときはたしかにありましたし、これからもあるでしょうが、あの同じような春の日差しの輝きに戻ることは叶わないのです。仮にできたとしても、「秋の私」があの春の輝きを違ったものとして味わうことになるのは、目に見えています。

 フィリピンでシニアの方々のために働いている友人がいます。その友人はあるモットーを胸に秘めて生きています。「最上のものはこれからやってくる。」これを心に秘めて生きるのはたやすくありませんし、私自身もそのように生きてきたとは言えません。人生の冬がどんなものになるのか実際にはわかりませんが、次第に衰えていくという現実だけは承知しています。私も人生の雨風にさらされて着実に衰えを見せていきます。それでも、春、夏、秋という人生の局面を乗り越えてきたことで、自分もまた色づき、人生のあらゆる経験とともにスパイスで味づけされてゆくものと願っています。私の人生の二月の暦には、葉の落ちた楓と雪でおおわれた杉の美しい絵がプリントされることでしょうが、これからも人生の最良な瞬間を味わいたい、味わわなくては、という大きな希望を懐いています。

コリーン・ダルトン